L’atelier – Paul Cox


アーティストのすべてが反映される空間

アーティストとその作品は、まさに一心同体である。
好きなアーティストのバイオグラフィーを読んだり、アトリエの写真を眺めるのも、私にとっては作品を見ることと同じように興味深いことだ。
好きな作品の数々が生まれてきたアトリエや

その場所も、作品同様きっと私の気に入ることだろう。
雪に埋もれた入り口のあるムンクの白いアトリエ。
クーニングが自分自身でその方法を考えだした、埃ひとつ見当たらない潔癖なアトリエ。
そこには絵の具が飛び散った後はあるものの、ゴミを集める小さな穴があいた特別製のイーゼルが置いてある。
“メルツバウ”と呼ばれるシュヴィッタースのアトリエ。
修道士の部屋のようなシンプルで簡素なモンドリアンのアトリエ。
その隣には、ありとあらゆるものが氾濫した真っ黒な小さな部屋があり、その対比が強烈だ。
オルデンバーグの棚、雑然とものが積み上げられたサルキスのアトリエ、ソフィー・タウベル・アルプの光でまぶしいアトリエ、クラッグの工場、ポロックの板が並べられた壁、リヒター がアトリエの隣に作った、まるで美術館のような作品室。そこには、2階に上がると美術史家の 仕事場もある。
イサム・ノグチが晩年を過ごした彫刻作品の置かれる田舎のアトリエ。
レンゾ・ピアノのアトリエのマケットがあるゲーリーのアトリエやフィリュウの作業場など、建築家のアトリエもおもしろい。
アトリエには充分考えこまれた調和が必要だ。
アイデアを書き留めた紙の上の文字の意味、仕事をする机、部屋のレイアウト、あるいは話し方や着こなし、食事の嗜好、考え方、そして時間の使い方などまで、すべてがアトリエに反映されている。
そう、アトリエがよければ、すべてがよいのだ。

ポール・コックス

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